【注目馬】
クロノジェネシス
最初から最後まで、滑らかな動きだった。
クロノジェネシスが栗東CWコースで万全の最終リハ。
グランプリ3連勝に向けて、貫禄たっぷりの好調教を見せつけた。
「折り合いとリズム重視。良かったと思います。いい追い切りができました。
馬場への入りもうまくいきましたし、走りも良かったです」
ゆっくりと追走する形から、馬なりで併入。意図どおりの内容に、斉藤崇調教師が満足げな笑みを浮かべた。
ジェラルディーナ(1勝クラス)を目標に進み、直線手前で併走に近い状況へ。
調整役を務めた岩田望騎手の手綱はピクリとも動かないまま、馬体を並べてフィニッシュした。
6ハロン85秒0-11秒9。ラスト1ハロンの際立つ迫力が、絶好の状態を物語っていた。
海外遠征からの復帰戦は調整が難しいとされる。
クロノも、初の海外遠征となったドバイシーマクラシック2着後、帰国当初は体重を大きく減らしていた。
それでも牧場を含めた陣営の丁寧なケアが実り、
驚異の回復力を発揮。現段階で480キロ以上の見込みで、
2走前の有馬記念(474キロでV)と比べても見劣らないレベルに戻した。
「全体的にボリュームがアップしています。
トモ(後肢)がひと回り大きくなっています」と担当の和田助手も気配の良さに自信を持つ。
前走は直線で他馬にぶつけられるロスがありながら、しっかりと伸びてクビ差2着。中身のある敗戦だ。
「馬は今が一番、充実しています。何も心配することがありません。
力を出せれば、結果はついてくると思います」
レース史上最大の6馬身差で圧勝した大舞台を前に、斉藤崇調教師は力を込めた。
いざ、史上初となる牝馬のグランプリ3連勝へ。
ファン投票1位に支持してくれた13万7448票の期待を背に、上半期のGIを白星で締める。